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俳句美術館第3回公募作品展 ハイクアート賞 あなたの俳句をアートしま賞 に多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
俳句美術館公募作品展審査委員会による厳正な審査の結果、下記に各賞を発表いたします。

 
「豈」同人・「船団」同人
句集・『たましいの話』『拝復』など。
 
子規新報編集長 愛媛新聞文芸特集「俳句」選者
著書に『花綵列島』『ペリカンと駱駝』
『小西昭夫句集』等がある。
超結社句会参加・句歴四十年
俳壇賞選考委員
句集「瀧の裏」「てのひらに落花」など。
愛媛県現代俳句協会会長
海程同人・吟遊同人
 
俳句美術館館長
滑稽俳句協会会長
八木健のCATV俳句主宰
 
 
(アイコンのクリックで各受賞作品の掲載箇所まで移動します)
     
   




   

     【講評】
       たんぽぽを擬人化。作者はたんぽぽの友人の気分なんだろう。
       野球少年たちに踏みつけられて小さくなっていたたんぽぽに
       平穏が戻った瞬間の状態を安堵し「定位置」と表現して巧み。
       野球少年を非難しているのではない。


     
   







   
  【講評】
   面白い風景を見つけた。街の中、しかも分離帯。枇杷鈴なりとは
   飽食の時代を象徴する。このような風景は日本だからこそ、
   某国では一夜にして枝ごと持ち去られる。
   決して経済だけでない日本の心豊かな風景を賛美する。

  【講評】
   かつて猫の食糧だったねずみ。だから猫はねずみにとって宿敵のはずだが、
   猫がねずみを捕らなくなって、時代が変わったのか、
   激しい「恋の猫」は宿敵だったことを忘れてしまったのか。
   いろいろに読めて楽しい句である。
   







   
  【講評】
   満天の星を見ていると、その瞬きがお喋りをしているようにも
   楽器を奏でているようにも見える。星々を演奏者としてではなく
   演奏会の聴衆と見ることもできる。大悠久の自然の壮大な営みは
   見る者をロマンの世界に誘う。

  【講評】
   悔しさも句になる。作者は恐らくたわわな栗を竹棒で叩き落そうとしたのだ。
   「落ちず落とせず」に必死に竹棒を振り回す声が聞こえてくる。
   句末のたわわなりは、結果描写は完敗でしたと言っているようにも読める。
 

   
   








   
 【講評】
  野外での演奏を描いている。「秋空へ」の
  表現には音の広がりが 聞こえてくる。
  打楽器の重々しい響きや軽快な乱打、
  管楽器の響きの輝き。それまで室内に籠ることを
  余儀なくされていた打楽器 管楽器は
  作者自身でもあろう。
 【講評】
  鯉幟と取り合わせて面白い。つい先日まで
  手元で叱ったり甘やかしていた子らが春三月の
  巣立ちで、遠方へ遊学したり 就職したりと
  去ってしまった。鯉幟を喜ぶ子らはもういない。
  歳月の迅速を吾子との対比で描いた。
 
 【講評】
  コンサートホールは隔絶された別世界だから、
  出た途端に世俗だったり、自然だったりと
  演奏会で味わったものとは異なるものに出会う。
  作者が出合ったのは「青嵐」だ。
  ひよわな者には厳しい風、それは世間でもある。
 
   








   
 【講評】
  金魚の雄雌が争っている。白昼の夫婦喧嘩と
  いえる。ところが 「や」で切っているから
  夫婦は人間かも知れぬ。少々太り気味なのだ。
  夫婦のどちらかが餌をやり過ぎで夫婦喧嘩に
  なったとも解釈すると面白い句となるのだ。

 【講評】
  俳句は、すでに誰かが句にした風景を詠んでも
  つまらない句になりがちである。多くの読者が
  体験済みの作品だからである。誰も詠んでいない
  詠みにくい風景を見つけて一句に して
  共感させたか、驚かせたかに値打ち。
 
 
 【講評】
  結界は聖なる世界と俗の世界の境界である。
  毬栗は毬を 開くことでその実を俗にさらした。
  「ぱつくりと」には多少の後悔と諦めが。
  聖と俗をこれほど見事に描いて季語が動かない。
  毬が強靭だからこそ聖なる実は驚く。
 

   
       






   
  【講評】
   俳句をオモシロイ!と感じるのは、作者本人が面白がっていなくて
   大真面目な場合が多いです。この句、「跡」でいいか、威嚇は「威かく」で
   いいかなど問題もありますが、作者が本当に驚いているようで愉しい。
   (池田 澄子)

  【講評】
   絵と俳句のコラボの面白さは、絵が俳句の説明になったり、
   俳句が絵の説明になっていないことである。
   まず、この絵から「滝行」が出てくること自体が意外であり新鮮である。
   絵に新しい読みを加えた魅力である。 (小西昭夫)
       






   
  【講評】
   もうお役ご免のマネキンが案山子になったのか、いえいえ作者の案山子は
   へのへのもへじ・一本足のカカシ。胸開きの大きいワンピースこそいい迷惑。
   なんで私がと、今日も田んぼで嘆いている。畑違いとはこのことだわ!
   (冨士眞奈美)
   

  【講評】
   体を預けたのが指揮者か演奏者か観客なのか見えてこないが、
   演奏者として取らせていただいた。指揮棒にシンクロナイズして
   スイングする演奏者の映像が見えて鮮明だ。それらを受けた季語、
   風光るが一句を明るくさわやかに仕立て上げた。 (松本勇二)
       



  【講評】
   背くらべしてる頃には無邪気が通用。「これから先」はそういう時代を
   卒業する段階である。これから先は「甘え」が許されぬ、身長だけでは
   勝負できない、智慧がモノいう時代なのだ。
   これから先の知恵くらべが大切。 (八木健)


   
   


 作品番号@ コンサート




  コンサート先ずスタッフに頭下げ  タイガー・3  神奈川
    
 
      
      
        
        
    
 
    
 
 
   

 作品番号A Gagarin




  ガガーリンの午睡遥かや碧き星   金山敦観  北海道  (にれ)
  どこまでも青き地球を夜這星  工藤泰子  岡山県  (運河)
        
      
      
        
    
 
    
 

 
   


 作品番号B 背くらべ




  墓石の背くらべする秋彼岸  久我正明  愛媛  (滑稽俳句協会)
  背比べの軸足ゆらぐ貝櫓  工藤泰子  岡山  (運河)
  背くらべ付け髪したる生身魂  堀口孝子  山口  (草炎)
        
        
    
 
    
 
    
 
 
   

 作品番号C こいのぼり




  大口で大空をのむ鯉のぼり  小笠原満喜恵  愛媛  (愚陀仏庵松風会U)
  なになくも風が馳走の鯉幟  小山田親作  福島
 
  友達の欲しいと過疎のこいのぼり  小山田親作  福島
 
  尾を振りて風満悦のこいのぼり  小山田親作  福島
 
  直立の無風に喘ぐ鯉幟  金山敦観  北海道
 (にれ)
  風吸へば不死鳥の如鯉幟  川島智子  神奈川  (滑稽俳句協会)
  少子化でこれで全員こいのぼり  タイガー・3  神奈川
  屈原に成れない俺や鯉幟  名護の又三郎  沖縄
 

 
   


 作品番号D ワンピース




  ワンピース脱いで踊るや浴衣がけ  氏家頼一  東京  (春耕・滑稽俳句協会)
  あっぱっぱ草間弥生のドットめく  工藤泰子  岡山  (運河)
  夏服やよくぞさんなん生まれけり  砂路  愛媛  (愚陀仏庵松風会U)
  出産祝い願う平和のワンピース  タイガー・3  神奈川  
  夏が好き太め気にせぬワンピース  三野公子  山口  (山彦)
        
        
        
 
   

 作品番号E 海




  海月浮く先史の海をわがものに  久我正明  愛媛  (滑稽俳句協会)
  裕次郎引き寄せてゐるヨットかな  久松久子  大阪  (百鳥・滑稽俳句協会)
  海原のうねるにまかせヨットかな  三野公子  山口  (山彦)
        
        
        
    
 
    
 

 
   


 作品番号F 金魚




  にらめっこ出目金とする金魚鉢  井野ひろみ  兵庫  
  石臼に掬いし金魚三年目  堀口孝子  山口  (草炎)
  見て見てよフリルつきなの金魚舞う  三野公子  山口  (山彦)
        
    
 
    
 
    
 
    
 
 
   

 作品番号G びわの実




  びわの実や敦煌遥か絹の道  金山敦観  北海道  (にれ)
  もう少しダイエットして枇杷の種   川島智子  神奈川
 (滑稽俳句協会)
    
 
    
 
    
 
    
 
    
 
    
 

 
   


 作品番号H かまきり




  いぼむしり食はるる恋はしたくなひ  名護の又三郎  沖縄  
  意地だけでは世間通らず枯蟷螂  久松久子  大阪  (百鳥・滑稽俳句協会)
    
 
    
 
    
 
    
 
    
 
    
 
 
   

 作品番号I 馬




  馬の鼻色無き風の中をいく  久我正明  愛媛  (滑稽俳句協会)
  薫風の馬の尻美し恋をする  堀口孝子  山口  (草炎)
  負馬の辛酸いかに大西日  山口徹  石川  (風港)
        
        
        
        
        

 
   


 作品番号J 猫




  大胆な天井桟敷や春の猫  金山敦観  北海道  (にれ)
  
   
  
   
  
   
  
   
  
   
  
   
  
   
 
   

 作品番号K 栗




  毬栗や多数決には異議ありき  砂路  愛媛  (愚陀仏庵松風会U)
  好きな時栗飯食へる時世なり  名護の又三郎  沖縄  
  毬栗を開けば父母に抱かれて  久松久子  大阪  (百鳥・滑稽俳句協会)
        
        
    
 
    
 
    
 

 
   


 作品番号L たんぽぽ




  たんぽぽの絮の飛び交ふ大宇宙  久我正明  愛媛  (滑稽俳句協会)
  たんぽぽやなぜに憎めぬ外来種  砂路  愛媛  (愚陀仏庵松風会U)
        
    
 
    
 
    
 
    
 
    
 
 
   

 作品番号M さくら




  天守閣眼下の景色花疲れ  井野ひろみ  兵庫  
  枝離る飛花の自由の無国籍  藤岡蒼樹  広島  (滑稽俳句協会)
        
         
        
        
        
    
 

 
   


 作品番号N 苺




  不揃ひの苺愛らし兄妹  氏家頼一  東京  (春耕・滑稽俳句協会)
  初苺食むには愛しハート形  小山田親作  福島  
  初苺乳房吸ふごとしやぶりけり  小山田親作  福島  
  太陽の欠片のような苺かな  三野公子  山口  (山彦)
        
        
        
    
 
 

 


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