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 俳書 石丸 繁子
 
愛媛県松山市生まれ

<著書>
 2003年 作品集 『光と闇の交響楽』
<所蔵作品> 
 松山市立子規記念博物館他





石丸繁子 メールアドレス
info@sho-do.net

石丸繁子の世界ウェブサイト
http://sho-do.net/


 
<書歴>
1967年〜2000年 県内外へ出品及び個展
2000年 山口・毛利邸毛利ミュージアムにて個展  「芝不器男俳句書道展」
2000年 イタリア(ウルビノ)   「現代日本芸術展」出展・揮毫 ウルビノ芸術大賞受賞
2001年 スペイン(バルセロナ)   「バトリョ邸芸術大展」出展・揮毫
  アントニオ・ガウディ芸術大賞  ACEAバルセロナ国際サロン賞受賞
2002年 奈良  「東大寺無限展」出展  東大寺鳳凰賞受賞
2002年 フィンランド「神話創世展」出展  ASAIスカンジナビア永久会員認定
2002年 ロシア(サンクトペテルブルグ)   「サンクトペテルブルグ国際殿堂展」出展
   揮毫 ロシア芸術同盟賞   サンクトペテルブルグ芸術アカデミー賞受賞
2003年 京都西本願寺「京都無限展」出展  芸術宝財・清明の位認定
2007年 真言宗御室派総本山仁和寺御室会館にて個展
   「光と闇の交響楽」−不器男と子規その俳諧の世界
2007年 松山市立子規記念博物館にて個展  「俳句書 子規と不器男」―石丸繁子のロマン
2008年 松山市立子規記念博物館にて個展  「石丸繁子俳句書―子規と不器男」
2009年 松山市立子規記念博物館にて個展  「石丸繁子俳句書―山頭火」
2010年 東京銀座画廊「るたん」にて個展    「アントレプレナー子規」
2011年 松山市立子規記念博物館にて個展  「石丸繁子俳句書―子規と友」子規・漱石・真之の友情
2011年 東京銀座画廊「るたん」にて個展   「友ー子規と漱石」
<講演・揮毫>
2007年 愛媛県県民文化会館  「松山市青少年育成市民大会」
 揮毫「不器男句」
2010年 エスポワール愛媛文教会館  「松山支部女性教職員指導者の会」
              講演 「石丸繁子俳句書」−17文字の世界(ロマン) 揮毫 「子規句」
2010年 東京数寄屋橋「ニユートーキヨー」  「(社)日本建築美術工芸協会」
              講演 「石丸繁子俳句書」―17文字のアート
2011年 松山市立子規記念博物館 「のぼさんとあそぼ秋祭り」
              揮毫 「子規句」


石丸繁子氏によるパフォーマンス動画


CONTENTS 子規と友 山頭火 子規と不器男2 子規と不器男 ↑このページの上へ






子規と友」     全紙1 パネル





子規と友」  全紙1 額

子規のそばには いつも 畏友 漱石がいた 剛友 真之がいた
たとえ遠く離れていても 子規の心の中には漱石がいて真之がいた
彼らの心の中にも子規がいつもいた
私はそんな友情に烈しく心を動かされ筆を持ちたくてたまらなくなった
そして子規はその姿を大胆に力強く私に表現させた

                                石丸繁子





世の人は四国猿とぞ笑ふなる四国の猿の小猿ぞわれは 子規      半切1縦





桔梗活けてしばらく假の書齋哉 子規      全紙1/2   





愚陀佛は主人の名なり冬籠 漱石      2尺・8尺





君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く 子規      全紙1





御立ちやるか御立ちやれ新酒菊の花 漱石 行く我にとどまる汝に秋二つ 子規
全紙2●屏風





秋の雲ただむらむらと別れかな 漱石     全紙1/2





草山の重なり合へる小春哉 漱石     全紙3/4





卯の花をめがけてきたか時鳥 子規      全紙1 衝立





聞かふとて誰も待たぬに時鳥 漱石 卯の花の散るまで鳴くか子規 子規
全紙2★屏風





帰ろふと泣かずに笑へ時鳥 漱石     全紙1/2





われに法あり君をもてなすもぶり鮓 子規     全紙3/4





 十二月三十一日夏目漱石来

 漱石が来て虚子が来て大三十日
  子規     2尺8尺


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― 山頭火さんと私 ―

          山頭火さんのリズムは、私のリズム。
          そうでなければ、私の筆は動かない。
          私の作品にはならない。
          書いているうちにどんどん変化してくる。
          その変化は、山頭火さんの流転の姿との重ね合わせ。

          私の頼るところは、音楽。
          私の心の中に、山頭火さんが生き、音楽の奏でるリズムによって作品となる。

          山頭火さんと私の共通意識は「自由な表現」
          山頭火さんは「自由律俳句は、やさしく、そしてむつかしい」といっている。
          同感。同感。

          山頭火さんの句に向かう姿勢は執着。
          作品となるかどうかは、句に執着しているかどうかである。
          執着は、『句の匂い』のほかにない。

          執着。執着。そこには必然性がある。

          これが、私の『俳句書』のカタチ。



                                           石丸繁子




分け入っても分け入っても青い山 (日記4) 全紙3/1 額
Going deeper  and still deeper−The green mountains ジョン・スティブンス





笠にとんぼをとまらせてあるく 全紙3/1 額





山頭火はなまけもの也 わがままもの也 きまぐれもの也   虫に似たり 草の如し
旅 旅 旅 私を救うものは旅だ 旅の外にはない
旅は私にあっては生活の切札だ

歩く 飲む 作る これが山頭火の三つ物である


半切1枚 パネル





一杯やりたいなぁ!これは自然だ 私の真実だ
私には禁酒の自信が持てない 酒を飲むことが私にあっては生きていることのうるおいだから

酒は仏だ そして鬼だ 仏としては憎い仏   鬼としては愛すべき鬼だ
酒は悪魔か 否 酒は菩薩 否 酒は酒である そして時と して悪魔
時として菩薩 私次第で


半切1枚 パネル





私の中には二つの私が生きております、というよりも私は二つの私に切断せられるのです、
「或る時は澄み、ある時は濁る」と書いたのはそのためです、
そして澄んだ時には真実生一本の生活を志して句も出来ますが、濁った時にはすっかり虚無的になり、
自棄的になり、道徳的麻痺症とでもいうような状態に陥ります。
私は長年此矛盾に苦しんできました、
そしてその原因は無論私が変質者であるためでありますが、それを助長するものはアルコールであると信じます、


書簡(木村緑平宛て)昭和11年6月30日
半切2枚 パネル





山頭火 俳句は魂の詩だ
全紙1枚 額


どうしょうもないわたしが歩いてゐる
へうへうとして水を味ふ
こころおちつけば水の音
こんなにうまい水があふれてゐる
2尺×6尺






焼き捨てて日記の灰のこれだけか
全紙1枚 額


いそいでもどるかなかなかなかな
全紙2/1 額





ほうたるこいこいふるさとにきた
全紙3/1

いつも一人で赤とんぼ     半切2/1 軸





おとはしぐれか     正方形 軸 春風の鉢の子一つ   全紙3/1 額





やっぱり一人がよろしい雑草   全紙2/1 額 何を求める風の中ゆく    全紙2/1 額





曼珠沙華咲いて ここがわたしの寝るところ
2尺×6尺 軸 

さくらさくらさくさくらちるさくら     全紙1 衝立





其中一人いつも一人の草萌ゆる
無我無心空を観ずるのではない 空そのものになる

全紙2 (屏風)





一羽来て啼かない鳥である     2尺×6尺 軸





蛙になりきって跳ぶ     半切2/1 額





朝湯こんこんあふるるまんなかのわたくし     4尺×4尺 額





濁れる水の流れつつ澄む     (日記4)全紙1 額
As the muddy water flows.  It becomes clear
ジョン・スティブンス





雨をためてバケツ一杯の今日は事足る     全紙3/4 額


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「石丸繁子俳句書 子規と不器男」行く秋の我に神無し佛無し  全紙






    私は 子規に恋をし 不器男に恋をし 「おもしろい」句に出会った時筆を持ちます。
    その句を五感でとらえ味得した瞬間 私の心は潤い満たされてきます。
    それは両雄の「匂い」に魅了された証なのです。
    私の俳句書から皆様の心にも「なにか」が生まれることを願っております。


                                               平成20年12月 石丸繁子









◆不器男の心象風景「不器男句文集」より「おもしろい」箇所・情壊の写生句

銀杏にちりぢりの空暮れにけり   全紙2/1





向こう家にかがやき入りぬ石鹸玉     全紙1 衝立





瀧音の息づきのひまや蝉時雨    半切2/1





あなたなる夜雨の葛のあなたかな 全紙3/1

 







◆子規の挑戦―「おもしろい」句 明治の「新題」(新季語)句−子規が季語として初めて用いた

風呂敷をほどけば柿のころげけり     全紙2/1





おもしろくふくらむ風や鯉幟     全紙3/1





夏帽に桔梗さしたる生徒哉     半切3/1





クリスマス句 (4句)     全紙2/1





やかましきものニコライの鐘秋の蝉     半切2/1





フランスの一輪ざしや冬の薔薇   半切3/1





ここぢゃあろ家あり梅も咲いておる     全紙3/1





春風にこぼれて赤し歯磨粉





◆松山での子規―「ふるさと」想句   「散策集」−2・3回の吟行

故郷はいとこの多し桃の花     半切4/1 鯛鮓や一門三十五六人     半切2/1




道ばたやきょろりとしたる曼珠沙花     小品





山本や寺は黄檗杉は秋    短冊 畫をかきし僧今あらず寺の秋     短冊




若鮎の二手になりて上りけり     全紙3/1





松山の城を載せたり稲むしろ     4尺・4尺





◆俳句雑誌 「ホトトギス」 へ掲載句
両方で睨みあひけり猫の恋     全紙2/1





三匹になりて喧嘩す猫の恋     半切3/1(やや小さい)





竹椽をふみわたる猫の思い哉     半切4/1







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子規がいて 不器男がいて  両雄が私に筆を持たせてくれました。
その瞬間を心に刻んでいただければ 幸せでございます。    


                                平成19年11月 石丸繁子





◆子規
《明治28年》
にくにくと赤き色なり唐辛子
はがき 子規
草茂みベースボールの道白し
はがき 子規
紀元二千五百五十五年哉  半切2/1 子規 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺  半切2/1 子規




清水の阪のぼり行く日傘かな   全紙2/1 子規




行列の葵の橋にかかりけり   半切2/1 子規




桔梗活けてしばらく仮の書斎哉  全紙 子規





柿の木にとりまかれたる温泉哉  半切2/1 子規


《明治29年》
酒好きの昼から飲むや百日紅  半切3/1 子規
今年はと思ふこと
   なきにしもあらず

 半切2/1 子規
内のチョマが隣のタマを待つ夜かな  全紙1/3 子規


《散策集》
明治二十八年九月二十日午後
今日はいつになく心地よければ折柄来合せたる碌堂を催してはじめて散歩せんと
愚陀仏庵を立ち出づる程
秋の風のそぞろに背を吹てあつからず玉川町より郊外には出でける見るもの皆心行くさまなり
杖によりて町をいづれハ稲の花


横長い紙




大寺の施餓鬼過ぎたる芭蕉哉  全紙2/1




土手に取りつきて石手寺の方へは曲がりける 小さい紙




南無大師石手の寺よ稲の花  全紙




山門の前の茶店に憩ひて一椀の渋茶に労れを慰む
人もなし駄菓子の上の秋の蠅
裏口や出入にさはる稲の花


小さい紙



橋を渡りて寺に謁づここは五十一番の札所なりとかや

小さい紙




寺を出でて道後の方に道を取り帰途につく
駒とめて何事問ふそ毛見の人    芙蓉見えてさすがに人の声ゆかし
にくにくと赤き色なり唐辛子


全紙1/2


水草の花まだ白し秋の風  短冊





 

◆不器男
永き日のにはとり柵を越えにけり  全紙4枚 不器男



かの窓のかの夜長星ひかりいづ  全紙1/2  不器男 樺の中くしくも明き夕立かな  全紙3/4  不器男




一片のパセリ掃かるる暖炉かな 全紙1/2  不器男 沈む日のたまゆら青し落穂狩 全紙1/2 不器男




人入って門のこりたる暮春かな
全紙1/2  不器男

山青しかへる手の花ちりみだり
全紙1/2  不器男



うちまもる母のまろ寝や法師蝉  全紙1/3  不器男







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